「B」 > vol.1
MUSICA
 我らが阿部ちゃん初の試み「EP形式の三部作シリーズ」、遂にグランドフィナーレなる三枚目が完成しました!
 タイトルは公約通りの『B』。色光三原色となる「赤(Red)」、「緑(Green)」を彩った後に、満を持して最後に描くのは「青(Blue)」。この色光の三原色、この色光に阿部ちゃんは何を託したのか? それは12月4日リリースの『B』を聴いてもらうとして、この阿部ちゃんと海では、最終作の内容や意志と共に、3枚を中心とした今年のアクションを総括しつつ、さらに驚愕の!?の次なるアクションにまで踏み込んだ肉々しい肉声をお届けしますよ。
 今回のインタヴューは、お相手である私鹿野がやっているMUSICAの事務所、下北沢にて行いました。3枚全てが完成してご満悦な阿部ちゃんは、溢れんばかりに様々な事を話してくれました。今回も少なくとも3回、もしかしたら……なロング連載を皆さんにお届けします。
 記念すべき企画の最終シリーズの第一回目、つまり「最後の最初」は、いきなり脱線クロストークから始まっていきましたーー。
 阿部ちゃんと海、第三部の開幕です。

■(インタヴュー開始前に阿部さんがスタッフと、イヤーモニターの話をしていたので、そこに乗っかって)イヤモニって自分の耳の型を取って作る、世界に一つしかないものじゃないですか。自分、ライヴはやらないっすけど、死ぬまでに一度でいいから自分の耳型をとって、イヤモニを作ってみたいなって思ってて。

「僕は実はやってないのよ。あれは嫌い派だね」

■あら。

「ライヴの時も普通のモニターなんだよね、絶対。だってあれで完全に耳を塞いじゃうと、まずエラーに対応できないじゃない」

■耳が塞がってるから、外で起こったミスとかに気づかないってことね。

「そう。だから全部の信頼を、そのイヤモニに置かなきゃいけないじゃない。それが、信用できないんだよね。俺ライヴハウスで育ってるから、自分の音をどれくらい出すと、どれくらい会場に聴こえるかっていうところしか基本的には考えてないからさ。みんな、凄いコロガシ(ステージ上に置くモニター・スピーカーのこと。いわゆる『返し』を出力する)に文句言うけど、俺基本的に『全然大丈夫です』って感じでさ(笑)」

■そういえば、人によっては、モニター(スピーカー)のように見えるけど、実は歌詞が画面に出るというのもあるじゃないですか? あれって歌う人のペースに合わせて、ステージ袖で画面を変える人がいるじゃないですか。そういう人を見ると、今の時代ライヴに関わる人が増えたっていうことを実感しますよね。

「そうそうそう。あれもね、専用の人がいるよね。俺は全部、iPad使ってぱしぱしとめくってくけどね。そういうの、民生君に勧めたんだよね。最初俺がユニコーンのライヴで使い始めてさ。それでみんな使い始めたんだよ。最近は自分で足で踏んで歌詞を進めるやつとかもあるよね」

■そういうのもあるんだ?

「基本やっぱりさ、人に頼むとそういうひとつのパターンでしか進められないじゃん。俺は曲も突然変えたりするし、だから人にやってもらっても難しいんだよ。だからねぇ、なんかねぇ、俺は人を信用してないんだよ(笑)」

■あははははははは。

「(背景の)映像とかもさ、『シンクロしますんで』って言うでしょ? 全っ然信用してない!(笑)」

■あちゃー。

「わざとテンポ遅くしたりとか、構成変えたりとか、入りそうで入らないとか俺、やるじゃない。それでも、それを見てないで映像が進んじゃうことがあるんですよ。そうするとね、俺も怒っちゃうんですよね」

■それは信用するしないじゃなくて、単純に阿部さんとそういう演出を一緒にやるのが難しいってことですよね。

「ははは! まあそうね!(笑)」

■ノンルール過ぎるのよ。

「いや、そういうことじゃないのよ。だから、スタッフはステージが見えないところでやってるわけよ。だから、来いよ、(ステージでの阿部さんの)横にってことで」

■また無茶な話を。

「『それじゃライヴに参加してることにならないだろう』っていうことを言いたいわけですよ」

■グルーヴを共有してこそのライヴというエンターテイメントだと。

「そうそう。それに応じてスイッチングしろよ、ということを言いたいわけですよ。それを1回怒ったことがあるんですよ、実際」

■たぶん、怒られた人もみんな困ってるんだと思います。ステージ上で裏方中の裏方の仕事を客に見られながらやれと言われても。

「ふははははははははははは」

■「言われてることをおっしゃる通りだと思うんだけども」みたいな。

「だから、今は黒幕とかは全部ハケて、横からステージが全部見えるようになってんのよ。モニターと映像と、特効にサイン出す時は、全部自分から指示できるようになってるんですよ。しかも、僕特にめちゃくちゃやるでしょ? 気分で。いたずらもするし。だから、何もしないのに(スタッフを)チラッと見て」

■あははははは。そのフェイクになんの意味があるの?

「警戒するでしょ? 身構えるでしょ? そうすると、わざとやらないわけ。で、警戒してないなと思うと、やり始めちゃうの」

■はははははは! 客目線から言うと、完成度下げてるだけじゃないですか。

「いやいやいや、その場で自分から突っ込むから大丈夫。それ込みでの演出ですから(笑)」

■阿部さんはそうなんですよね、ずっと。

「そうすっとね、ツアーが断然面白くなんの。ユニコーンのお客さんは、それを割と楽しんでくれるお客さんが多いんでやれてますけどね。そうでもしないとね、ツアーがつまんないんですよ。決まったことしかやらないから。『やーい!』とか言い始めると、『すいませーん』とか言って、会話がスタッフと生まれるでしょ? そうすると、打ち上げもメンバーとスタッフを僕達は分けないんです、あんまり。なるべく一緒に行くんで。そうすると、どうしてもこれがいいとか、『やったな』とかいう話になるんだよね」

■スキンシップですよね。

「そうそう。ライヴを通じてのスキンシップね」

■素晴らしい。ところで、今日このインタヴューを下北沢でやってるわけなんですけど。

「はい」

■阿部さんは、下北沢通ってきてるんですか? ライヴシーンとしては。

「まったく通ってないっすね……だから下北沢、地理がよくわかんないんですよね、知り合いは多いですけどね。ミュージシャンは割といるでしょ、この街に?」

■アマチュアの頃にライヴはーー。

「やってない。合理的に見えなかったから。ライヴをやるってことが(笑)。高校の時は一応やりましたけど、僕は柏なんで。本当にプロを目指して、アマチュアでライヴハウスでライヴをやって、ステップアップしていくっていうのは、当時は不合理に見えたんですよね。あの頃の俺は相当生意気だったから。みんなそういうふうになるの?」

■まあライヴハウスが登竜門だというのは昔も今もありますよね、バンド稼業に関しては。でも今の話を聞いて、阿部さんはバンド稼業とか音楽稼業、ロック稼業を、モテたくてやってたんじゃないんだなっていうことがわかった。

「あ、そうなんだ(笑)」

■学校でもなくてスタジオでもなくて、ライヴハウスでライヴをやって。そうすると、「俺、新宿とか下北でたまにやってるよ」みたいな。これ、モテるんですよ。

「ははぁー、なるほどね」

■特に当時はモテたんですよ。

「ああ。ライヴの後とか、なんかいっぱい寄ってきてね。楽しそうだよね(笑)」

■そうそうそう。(当時は)カセットテープ渡して、「聴く?」みたいな。

「ああ(笑)。なるほどね」

■これでステージ3段上がったみたいな感じなんですけど。あんまりそういうのはなかったんじゃないですか?

「全然そう思わなかったですね。なんでだろうね? いや、それはモテたいけど。でも、音楽でモテたいっていうか――そりゃ、モテたほうがいいですよ」

■まあそうですよね。

「モテたほうがいいけど、音楽と女性っていうものは別に存在してたの、自分の中で。たとえば下世話な話だけど、彼女を口説きたくて弾いてみるとか、君に歌作ったりとかーーそういうのがあるのかも知れないけど(笑)」

■あるあるある。

「そういうのはね、1回もしたことないですよ」

■それは、こっ恥ずかしいっていうか、痛くて嫌だみたいな?

「音楽は聖域なんですよ、自分の中では」

■それが全てなんでしょうね。

「だから、たとえばスタジオの中に彼女を連れてきたりとか、そういうこともしたことないんですよね。そこは神聖な場なんで、そういうのが入ってきちゃダメっていう。あと、ビデオが(笑)――当時なんて言うんですか? ブルーフィルムじゃないけど(笑)、そういうエッチなビデオとか、当時若かったから『これはハードなやつだ』とかさ、盛り上がるわけ」

■『洗濯屋ケンちゃん』みたいなやつね。

「それを流すわけですよ、スタジオで」

■……全然聖域じゃないじゃん、スタジオ。

「いやいや、誰かが(笑)。それを僕は止めるほうでしたからね」

■あはははははははは、そっちか!

「『ここで流しちゃダメなんだ』と。『やるならロビーでやってくれ』っていう」

■へぇーーー、凄いですね。素晴らしいなと思うとともに、それはモテないね。

「ははははははははははははは! そうね(笑)。そういうのを音楽でっていうのが……なんかないんだよねぇ。完全に別物なんですよ」

■その考え方、言ってみればいまだに一貫してますよね。

「いまだに一貫してますねぇー」

■音楽を創作する場所っていうのは、自分と音楽とイメージだけで、それ以外のものは一切いらないというか。

「そうなんだよね。それは昔からそうだね、言われてみれば。あんま考えたことなかったけど、その通りです」

■と、そんな話もしつつ。遂に第3弾の作品『G』が。年内間に合っちゃいましたね、阿部さんこれ。

「いやあ、間に合っちゃったよ。1ヶ月遅いでしょ? 11月を目指してたんですけど、ま、12月とは言っても初旬なんで(笑)。鹿野さんは僕の締め切り感覚をまったく信用してませんけど……割と締め切りは延ばさないほうですよ」

■そうでしたか、失礼しました。これ、『B』ですから。いろんな『B』があると思いますけど、色的にはブルーじゃないですか。私、着てきましたよ、真っ青なものを。

「で、僕も着てきました」

■最低の礼儀ですよね、これ。

「ははははははは! そうですとも!! こういうの大切ですよ! もちろん(笑)。これで黄色着てたらおかしいでしょう(笑)」

■確かに(笑)。本当に素晴らしい最終作であるとともに、いろんな意味で一番ヴァラエティかつダイナミックな作品というふうに思いますけど。今作り終えて、率直にどういうふうに感じられてますか?

「『B』に関して、こうやって喋ったり回想したり考えたりするのが今は初めてなんで。無防備に喋るところもあると思いますけど(笑)。……で何でしたっけ?」

■大丈夫かな、阿部さん。このアルバムをね、率直に自分がどう思ってるのかって。

「………凄くこれを作ったことによって、自分自身に刺激を受けましたね。モチヴェーションが一段階上がったっていうか、ここに来て。そんな気がしますね」

■それは、『R』と『G』とどの部分が違ったんですか?

「それはね、『B』だけじゃなくて、『R』と『G』と『B』を最後まで作ったっていうことで、この小さなものを割と早めにどんどん回していくっていう形に少し手ごたえを感じてるっていうかね。あと、自分の今までのスタジオワークっていうのは、東京でやったりとかいうのが多かったんですけど、今回は鎌倉にじっくり割と本格的に腰を据えてやったもんですから。なんとなく、自分が進むべき方向っていうのが見えてきたような気がしますね。今までの自分のソロは、『実験場』みたいなところがあったんですよね。しかも、何を自分がやっていいのか、何を自分が表現するべきかっていうのは、定まってない実験っていうか」

■その実験のテーマを定めず、自分で整理できないまま生まれてくるものが音楽なんだっていう、ある意味の哲学があったんですよね。

「そうですね。だから、決めたいっていうか、いろいろやりたかっていうのはある。たとえば、(ソロのキャリアの)最初に売れていたらば――今も売れてるわけじゃないんだけど(笑)――それをずっとアーティストとしてやっていかなきゃいけないっていうスタイルが出来ちゃうじゃないですか。それは嫌なんですよ、俺は。だからそうじゃないところに自分のソロを置いていて。自分がどういうスタイルで表現していったらいいんだろう?っていうのを、とにかくいろんなものに手つけて、いろんな表現をしてみて、実際にやってみて。で、終わってみたら、『こっちだったな』とか。そうやってどんどん広がったものが、この3つのを作ることによってだんだんふるいにかけられて、今やっとひとつ掴んでいるような気がしているんですよね。この音楽的スタイルだったり、出すべきリズムだったり、そういうものが固まっていくっていうか、見えたような気がするみたいな。だから『R』と『G』と『B』と、ちゃんと作れたことに、喜びを感じてますよ」

■阿部さんにとってソロの作品っていうのは、ご自分にとって彫刻のようなものだと思うんですよね。要するに、世の中の声に沿って作るというものでもなく、自分自身の中から湧き出たものをどう音楽に変換していくかという。たとえば、彫刻家の人っていうのは、『俺は今これを掘りたい。それを掘ってみよう』、『木で掘ってみたら違った』、『じゃあ石像で掘ってみたらそれも違った。結局粘土だった』みたいなね、そういうやり方になるわけじゃないですか。

「そうですね」

■阿部さんは今までは、それをアルバムという形でやりながら作っていたわけですけど。今回に関しては、こうやって3つの作品をコンスタントに作っていく、しかも事前に決めたコンセプト至上主義。その辺のソロの作り方に対して、根本的な変化があったと思うんですよね。

「そうですね。……上手いことを言ってくれたんで(笑)」

■いやいやいや、もうそうやって「じゃあ自分は喋らずに」はいいですから。

「はいはい(笑)。でも今鹿野君が言ってくれたやり方が許されるような世の中じゃないわけですよ、一般的に言うとね、今は」

■そうですよね。

「なんだけど、俺はしぶといからそうやってきたわけですよね」

■はい。

「で、50前にして、時代とも合わせながら自分らしいやり方を考え、やってみたと。そうしたら『お、これはいいかな』っていう、なんとなく自分にマッチしてるかもみたいなのはわかった。ということで……実は今、名前を変えてもいいかなと思ってて」

■ぶっ(笑)。

「ははははははははは!」

■ソロの?

「そう」

■名前っていうのは、作品じゃなくて、ご自分の名前ですよね?

「はい。考え中なんですけどね。ま、こういうのは突然思うわけでもないですからね。いろいろあるわけですよ」

■そうっすね。

「僕は話すのなかなかめんどくさいんですけど、いいですか? これは大事な取材だし、自分から言い出した企画でもあるんだから、ちゃんと話さなきゃいけない」

■それが仕事ですよ、今、お互いにとっての(笑)。

「あははははは! そうだよね(笑)。それは話さなきゃいけないんだよね。あのね、この『B』だけマスタリングが違うんですよ。ニューヨークでやってるんです」

■金遣いましたね。

「いや、インターネットを使いましたね(笑)」

■なるほど。お金じゃなくてネットという便利なやり方、つまりネットを使ってアメリカでマスタリングをするという手法を取ったと。

「それは元々興味があって。ただ、どうやっていいのかわからないし、実績もないんで。それで実験をしてみたんですよ。ユニコーンで」

■なるほど(笑)。

「一度実験をしまして(笑)。それで、マスタリングをする現地の人とお知り合いになりまして。ほら、そもそもは(アメリカでマスタリングをして)どれぐらい変わるのか?っていうのが、わからないじゃないですか」

■そうですね。

「しかも、インターネットなんで、転送がどうとかいろいろな――しかも現地に僕がいないわけなんで。もちろん、ロスでマスタリングやったことはあるんですけど、それは全部立ち合いしたから。でも今回は全部おまかせで、しかも相当有名な人なんで。本当にやってんのか?から始まるんですよね。『機械がやってんじゃねぇの?』とか(笑)」

■なんちゅう外人不信なんですか(笑)。

「いやいや(笑)。でもユニコーンでそれがわかって、大体これぐらいの仕上がりかというのがわかった上でレコーディングをして、自分の世界をこうやって出そう!っていうのをやったんですよ、今回」

■で、実際にどうだったんですか? アメリカのマスタリングエンジニアの手段は。鼻くそを掘ってるだけだったか、マジックハンドを持っていたかーー。

「それがね、わざわざ向こうから注文がきたんですよ。『ここをこうしてくれるともっとよくなる』みたいな。で、『お、これは本当に人がやってるぞ』と思いまして」

■……酷いね、本当にこの人は。

「あははははは! でもその、あっちから声がかかってきたって、それは凄く大事なことで。つまり、興味がなかったらそんなことしないんですよ」

■あと、自分の音楽に対しての評価基準がわかったっていう。これは大きいですよね。

「そう。それがもの凄く大きくて。で、それに対して僕も……要望に応えるべく、当然その素材を出す。で、それに対して向こうが音を変えてきて戻してくると。しかも、いい結果を出してくるという。しかも、やはりレベルが高いっていうね(笑)。なので、もの凄く刺激を受けたんですよね」

■なるほどね。

「まあ、これは話的には『本人がやっていたんだ』っていうことで笑い話にしていいんですけど。実際のところ、俺は日本の音楽業界に浸ってやってるじゃないですか。正直ね、シケてるんですよ。つまんねぇなと思ってて。それをどんどん変えようとして、もう一度バンド(ユニコーン)をやって、ここまである程度やってきた自負もあって。でも今1年、2年ぐらい間空けてるでしょ? またどんどん醒めてきちゃってるんだよね。なんてシケた業界だと。……ま、そこに僕もいるし、立派な重鎮なんですけど(笑)。話を聞くと、どこ行ってもつまんねぇ話しかしてないなと思ってはいたんですよね。で、今回のマスタリングでアメリカとやり取りをして思ったのは、やってる奴はやってると。音楽の研究をしっかりしてると。世界中どこでも勉強してる奴はずっと勉強してるんだよね。それが結果に出てるとわかるじゃないですか、やってる人は。……僕はたぶんやってる人だと思うんで。……どんな状況でも――繰り返しになっちゃうけど――やってる奴はいるんだな、世界にと思いました。ただ、今は日本しか見てないから――みんな適当に、『(CDをリリースする時は)付録とかどうしよう?』とか、おかしな方向に行ってるけど。純粋に音楽をよくすることを追求してる場とちょっと触れたような気がして」

■ポジティヴになれたと。

「はい。だから、凄く音楽に対して欲求が高まってるっていうか。まだまだやることがあるっていうか、そういう感じなんですよね、これが終わって」

■で、そのきっかけになったのが、この『B』という作品なわけなんですが。今の話を受けていくと、非常に奥行き感のある作品になっているとともに――これは僕の勝手な推測なんですが――『B』はブルーだけの『B』ではなくて、この中に収録されている“BackGRound”の『B』だけでもなく、バンドという『B』、バンド感みたいな言葉も含まれてる『B』という意味合いも含まれてるんじゃないかと思ったんですけど。

「まあ、その辺はご自由に」

■かわされましたか。

「ははははは! いやいやいや(笑)。バカでもいいんですよ。『B』だから(笑)」

■あー、僕がバカだと。鹿野だから馬鹿野だと。

「はははははははは! 面白いなあ鹿野君は本当に。だからね、曲って一度手を放してしまうと、『うちの子がね』っていう親ほどバカな親もいないっていう話ですよ」

■なるほど。

「だから、その作品や音楽が勝手に好きなように進んで、その音楽を好きな人が現れてくれて、それと幸せになればいいんですよ」

■でも、阿部さんの音楽は大切だから、バカ親のように懇切丁寧に語ってくれるんじゃないかなと期待してますよ、俺は今日。

「はは! そうですか(笑)。来ますねえ、今日も。まあ、できるだけ話すけどね(笑)」


 というわけで、アメリカでマスタリングをし、心ゆくまでの拘りをすべて音像にした『B』。次なる2回目では、“サヨナラサムライ”“白い虹”“BackGRound”“再会”の4曲の世界に、微に入り細に入り突入していきますので、お楽しみにしててください。この『B』が阿部ちゃんにとって、どれほどの新しい可能性であったか? そしてこの作品がどれほど「音楽という存在に対して真摯な姿勢で作られたポップミュージックの結晶なのか?」がわかるお話になってますので、まずは4日に『B』をゲットして聴いた上で、この連載G編2回目をお読み下さい。
 ではまたっ。

「B」
2013年12月4日 ON SALE
1.サヨナラサムライ
2.白い虹
3.BackGRound
4.再会
¥2,100(incl. tax)

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"白い虹" PV