「B」 > vol.3
MUSICA
 どもども。クリスマスな師走にお邪魔します、「阿部ちゃんと海」でございます。
 今回は前回のソロ3部シリーズ最終作の『B』の2曲目までの解説に続き、3、4曲目の「虎の穴」を教えちゃいますよ。
 そして最後の最後に、すげーこと言い出すから阿部ちゃん。
 さあ、行きましょうか!

■ソロ三部作シリーズ最終作『B』、その全曲解説をやってますが、3曲目は“BackGRound”。つまりは、この『B』っていうのは、この“BackGRound”なわけですよね。

「はい! そうっすね」

■阿部さんの中にあるバックグラウンドを――バックグラウンドっていうのは、過去という意味だけではなく、過去、現在、そして今見つめている明日っていうもの全部を含めてのものだというメッセージが詰め込まれた曲なんですが。

「そうっすね。前に話したかもしれないんですけど、“Round(& High)”っていう曲を1枚目(『R』)でやって、“GROUND”を2枚目(『G』)にやって。で、“BackGRound”が3枚目にくるっていうのが最初の計画からあったんで」

■しかもそのRもGもBも全部タイトルに乗せていきましたよね。

「でしょ? 面白いでしょっ!!」

■はい(笑)。

「3枚に分けていろいろ作りましたけど、でもなんか交じるんだろうなっていうふうには思ってたんですよ。だからこの曲は、何も意図しないで自由に作ろうかなと思って。展開とか何も決めないで、A(メロ)とかBとかCとかないからね、この曲は。所謂間奏があってどうのとかいうのすらも外して、『R』と『G』と『B』が混じってるっていうのが、いいなと思ったんですよね」

■そうですね。この曲は凄く秩序があるカオスが広がっていて。歌詞も言葉遊びが非常に強いし、音楽的にはプログレとテクノとポップが全部合わさった――。

「あはははははははははははは」

■何しろ非常にカオスな曲だと思うんですよね。

「そうだね(笑)」

■でもそれが、ポップス的な要素も含まれることによって、楽曲として成立していくという。ある意味、非常にギリギリな曲でして。

「あははははは、まさにそうね(笑)。ここまでの自分がソロとしていろんなことを実験してこなかったら、これはできないね。そこらへんが全部自然と出ちゃったんだね。……これ、変だよね。変な曲だけど、割と好きな人多いですよ、これ」

■純粋に音楽として遊んでるからですよね。

「なるほど! これね、人気なんですよ。こっち(“白い虹”)を一生懸命作ったのに」

■あ、そういう感じなんですか?

「うん(笑)。割とこれ、バーッて最初からワーッて書いて、『はい!』っていう。でもこの曲がメインでいいんじゃない?って声も多くて。何だか自分が褒められているようで嬉しいですよね、こう言う曲が褒められると」

■いやいや、どの曲でも阿部さんの子孫のようなものなんだから、どんな子供も可愛いって思って下さいよ。

「はは、そっかそっか。でも自分を外に出すとか、(世の中という)フィルターを通さないで最初から書いていくと、こうなるね。一曲目の“サヨナラサムライ”にしても、『どうしようかな? 誰に向けようかな?』とか、『最初聴いた時に、ガッてきたらカッコいいかな』とか、そういう意図があるでしょ?」

■うん。

「でもこれは、何もないもん。とにかく最初からダーッて書いていって、終わり!っていう。なんの意図もないとこうなる」

■阿部さんが凄くルーツレスなアーティストなんだなっていうことを、僕はこの1曲からもの凄く感じるんですけど。実際はそうなんですか?

「そうだね、そういえば。音楽のヒーローがいないもん、自分にとっての。『ああいうふうになりたい』とか、『あの人に憧れて』とか、そういうのずっとないんだよね」

■ビートルズもそんなに絶対的な神じゃない?

「全然絶対的じゃないし。もちろん、楽曲は素晴らしいよ。当然聴いてるし、全部知ってるし。なんだけど、崇拝してるわけではないしね。だから、バッハもビートルズも俺にとっては一緒よ」

■音楽家以上でも以下でもないっていうことですよね。

「っていうことだよね」

■その感じが凄い聴こえてくるんですよね。

「なるほど。歌詞も仮歌で入れたままだからね、実は(笑)」

■(笑)。

「どんな歌にしようとか考えてなかったね、歌詞は。その場で出てきた、歌うちょっと前にメモ書きしたものなんだよ。とりあえずこういうメロディにしようかな、と」

■でも、この作品全体を感じさせるトータルの意味合いを担っている曲だと思ったけどな。

「そうなんですよ、結果的に。だから内容も、この曲の終わりから最初のオープニングに戻るしね………なかなかいいじゃないって思ったよ、自分で(笑)。一番最初の曲に戻って、それがバラバラバラって落ちていくイメージがあって。それをハラハラハラって落ちてきたものに悪役が突っ込んできて、こいつが悪さするとか、そういうイメージでどんどん進んでいるわけなんですよ(笑)」

■もう、まったくわからない妄想ですよね(笑)。

「『ここでこういうふうにメロディが進んでる』とかじゃないんだよね、もう。イメージとして固まったものから、画として――説明しにくいんだけど(苦笑)」

■まるで絵のようにいろいろな色があって、その色のような音でもいろんな鳴らし方があって。それをグワッて合わせると、音の絵画が出来上がると。

「そう! 凄い!! そんなものが出来上がっちゃうと、自分で嬉しいわけだから。(音と音が)溶けてみんなひとつになって、喜んでるわけだからね。だったら鐘も鳴らさなきゃマズいだろ、みたいな。よし、ファンファーレみたいな雰囲気もあったほうがいいよなとか。あと、3部作だから、このシリーズは。普通ね、音楽って4つ区切りなんですよ。4小節区切りっていうか」

■ああ、はい。

「そういうふうに進んでいるんですよね。譜面もそうだし、全部4つ区切りなんですよ。それを3つ区切りにしてみようとか。これは『R』のためのもの、これは『B』のためのもの、『G』のためのもの。いろいろなものを3にしてみようとか」

■その音楽的な歪さですよね。

「そうそう。そういうのが面白かったですよ、作ってても」

■きっとこれを読んでいるみんなにも伝わると思いますよ。そして、最後の曲になるんですが、“再会”。3枚の最後の曲にして再会。

「はははは。これ、どうっすかね?」

■これは、また終わって、でも実はまだまだ続くよみたいな意味合いも含まれてんのかな?みたいなことも思ったんですけど。

「あのね……ここまでの3曲が、もの凄い濃いんですよ。だから、この曲はどうでもいいのかもしれない」

■ん?

「うん」

■おい。

「ははははははははははは」

■まあ要するに、1枚の作品として、ちゃんと抜けが欲しいと。ここまでが肉汁じゅーじゅーなハンバーグのように凝縮されまくってるから、この曲ぐらいは抜いてあげたいと。

「たぶん、これスケジュール――」

■そっちか(笑)。

「あははははははははははは! スケジュールだよ、鹿野くん。今回ミックスやるのに、4日しかなかったんですよ。でも、これ4日じゃ終わんねぇぞと(笑)。だって、どう考えても難しいもんね?」

■そうですね。濃厚な曲なわけですから、仕上げも緻密にして大胆に行かないとね。

「そうなんですよ。だから1日1曲じゃ絶対終わんない!と思って。……っていうことで、こういうやつを入れとこうかなっていうことですよね」

■軽めの曲をね、サウンド的に(笑)。するとみんなの作業とスケジュールが助かると。

「みんな助かるんだよ!!! この気配りが」

■で、結果的に今回のシリーズ3枚全部を包括するアウトロのような曲になったと。

「そうそうそう。なんか、幸せでしょ? こういうことでしょ? 」

■「鳥が枝にとまる 君のそばにとまる」、最高に染みる歌詞です。

「あははははは。あのね、そういうことなんですよ、幸せって。その鳥は誰か知らないけどね。大切な人かもしれないし」

■“再会”っていうタイトルは、どんなニュアンスが含まれてるんですか?

「会いたかった人だよね、これは。」

■なるほど。この3作を通していろんな旅をしてきた、意識の交流もしてきた、そして最後に一番近いところに再び戻ってきたみたいな、そういう意味ですか?

「そうね。結局は、自分に帰ってくるんだよね、みんな。それで、それぞれの大切な人がいて、自分に立ち返れたことによって、またその人と会えたんだねみたいな。……なんかね、素晴らしいでしょ?(笑)」

■というか、音楽って、結局は自分のために作るものだと思うんですよ。そうあるべきだと思う。ポップミュージックは聴き手がいないと、音楽を作る意味がないと言いますよね。実際にそうでしょう。でも、最終的には、自分のために音楽を作り、自分のために作られた音楽を、リスナーが自分のものにしていくっていうのが――。

「そうなんだよ! それが一番美しいですよね」

■結局、音楽はそれでしかないのかなっていうふうに思っていて。そういうことをこの歌のメッセージから感じたりとかするんですけどね。

「いいと思います」

■ありがとうございます。

「ふふふ。素晴らしいと思います」

■これで、全曲の細説が終わりました。

「終わりました、はい」

■阿部さん、これからどうしていくんですか?

「………へ?」

■どうしてくんですか?

「もう、次のに取りかかってますよ。まあでも、何よりも名前を変えなきゃいけないんで」

■ん?

「名前をね、変えるんですよ、俺はこれから」

■……名前、どうするの?

「ええっとね……これ、どうする? 言っていいのかな? いや、でも、言わないとおかしいよね」

■ん?

「実はーーーー」


 いきなり何を言い出すんだ阿部ちゃん。これは音楽界の一大改名騒動か!!?? 来週、凄い発表が行われますよ。
 年末も阿部ちゃんから身も心も離れられない!

「B」
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1.サヨナラサムライ
2.白い虹
3.BackGRound
4.再会
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"白い虹" PV