「G」 > vol.2
MUSICA
 さあ、いよいよソロ三部作の第二弾EP『G』が8月7日にリリースされます。もう、これは真夏の大セール! いやいや、大音楽感謝祭ですよ!!
 今回はインタヴューにもあるように、テーマはグルーヴ。つまり、GROOVEのGです。いやいや、3曲目にある“GROUND”のGでもあるんですけどね。
 この作品は、4曲それぞれが違うグルーヴやリズムを持っている曲で構成されています。リズムって、人の心を運ぶものだと思うんですよ。楽しくさせるのも、焦らせるのも、不安にさせるのも、明日へ向かう力をみなぎらせるのも、リズムの種類や速さで、人の心をどうにか操れるんですよね。これは凄い。しかもそこに歌詞やメロディが絶妙に絡んで行くと、グルーヴで動かされた心に、「何だこういうことだったのか」というオチまでつけてくれるという、音楽という物語は本当に素晴らしいものを僕らにもたらしてくれます。
 阿部ちゃんの歌、曲、その一つ一つは、そういった「心の旅」を必ず聴き手に植え付けてくれるんですよね。しかも今回の『G』は、グルーヴが割と前の方で聴こえて来るから、リズムに乗ってとても旅し易いんです。中には風を受けながら颯爽と走る曲もあれば、まるで夕暮れの海で自分が何なのかと問い掛ける「果てと会話する」曲もあって。あー、この4曲は、まるで人生をドライヴさせる大切なパートナーのようですよ。
 では『G』編の2回目のインタヴュー、行ってみましょう。阿部ちゃんの海辺のスタジオで交わした会話。今回は特に甘くてしょっぱい本音が沢山交わされてますので、どうか心してお読みくださいっ!

■話を戻していきましょう。2曲目の“舵を取れ 舵を切れ”は、自分の意に反してスタッフの評判はあんまりよくなかったという話ですけど――。

「はい(笑)」

■僕的な解釈では、ビートルズの“トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ”と、ゴスペルの和音感が合わさった、非常に面白い曲だなって思いました。

「そっかぁ! 実は、このテイストを出すの凄く難しいんですよ。あのね、作っている時にね、同じ音がずっと鳴ってるもんで気が狂うんですよ(笑)」

■特にひとりっきりでやってるから。

「そうそうそう。あと、同じ音をずっと鳴らしておいて、同じビートをずっと鳴らしておいて、それをどうやって気持ちよく響かせるか?っていうことを1曲として固めるというのは、もの凄くテクニック的に難しいことだと僕は思ってるんですね。で実際、ミックスした宮島君もこれは相当てこずってたし、マスタリングの三一さんも手こずってるんで、みんな手こずってるんですよ(笑)。でも、最後は上手いこと行ったのでこれは相当にいいと思ったんですけどね。……だけど何故か評判が(笑)。何気にこの中でもシングル感出てるでしょ? このタイトルから言ってそうでしょ? だってちょっと命令形でしょ?」

■ははははは。上から行けばシングルっぽいとは思わないけど。そもそも何をそんなにオドオドしながらシングル感をアピールしてるんですか!

「いやいや、なかなかこの曲に目をつけてくれる人がいないんでね」

■歌詞の世界も、「流されるな」と。「自分自身で生きていこう」と。そして、既にそのためのカードをお前は持ってるんだっていうことを歌ってるわけじゃないですか。

「……そうだっけ? どうだっけ?(笑)……(歌詞を読み返す)」

■舵を自分自身を取って、世の中が右へ行こうと言っても自分が左に行きたいなら左に行きなさい、と。そのためのものは、お前は既に持ってるんだから、今から探すんじゃなくてお前が生きてる中でそれを――。

「そうそうそう! いいこと言うね~」

■阿部さん、これ誰が書いたの?

「知らない(笑)」

■白状するなら、今ちゃんと白状してもらわないと。

「はははははははははははは」

■お前が存在してるという時点で既にその意味はあるんだ。そのためのカードは持ってるんだという非常に熱いメッセージソングになってるわけですけど。

「はぁ。でもなかなか難しいですよ。最近もそのズレっていうものを考えてるんですよ……ほら、『歌える音楽』ってあるでしょ?」

■歌モノニッポンというかね。

「そうそう。でも僕は、そういうみんなが口ずさむような音楽を目指してないんですよ。つまり、僕が画家だとしたら、みんなが描けるようなキャラクターとかポップアートとか、そういう絵を描いてないっていうことです。みんなが親しむようなドラえもんの絵とかを生み出してるわけじゃないし、そもそも僕の音楽をみんなに描かれちゃって、真似して歌われたら困るっていう気持ちがどっかにあるんですよね。だからポップアート的なものは目指してなくて、それよりも僕って絵画チックなのかなぁって思ったりもするんです。……でもそれより俺って、もうちょっとポップだし色彩感もあるしなぁとも思うんですよ(笑)。うーん……ダリとか? 違うよなぁ? なんだろうなぁ?……とか思うんですよね。ただし、僕の音楽はポップアートじゃないことは確かなんですよ。誰にも描けるものを目指してるわけじゃないから。最近、それについて考えるんですよね。なんとなく言ってることわかります?」

■今おっしゃったことは凄くわかるんですけど、さっき話したように日本っていう国は歌の国で。言ってみればそれって、ブルースから始まった国でもないしソウルから始まった国でもないし、実はフォークから始まった国でもなくて、唱歌から始まった国だと思うんですよね。それが、音楽というものの中で歌が一番大切になってる国の由来になってきている。阿部さんにとっては、自分を形成してきたロックっていうものとそれとは違うし、歌メロがはっきりしてれば音楽はポップソングになるっていう風潮がイヤでそうなってるのか。もしくは、僕はそういう道のりを歩んできたからこう考えてるからこうなってるのか。っていうところで言うと、どういう感じなんでしょうね?

「音楽に関しては、どれがダメっていうこともないし、どこに行こうっていうこともないんですよね。だから、そうやって考えると俺はどういうことになるんだろう? 何処にも行けないなあっていうほうが多いのかな。……僕、そういうことが全体的にあるんですね。阿部義晴っていうものをカテゴライズするとどうなるんだろう?って定義する時、俺みたいのって定義しにくくないですか? キーボーディストでもないし、ヴォーカリストでもないし、ゴリゴリのロッカーなわけでもない。もちろんクラシックでもないし。なんてカテゴライズするんだろうなぁって思う。カテゴライズすることって、要するに後づけすることでしょ? でも、紹介する時とかそれがあると便利だから時々考えるわけですよ(笑)」

■阿部さんって、自分の中では、ソロ活動してこうやってご自分の名義で歌って音楽を出すっていうことが軸になってるんですか? それとも、ユニコーンもある、プロデューサーもある、そして阿部義晴っていうソロプロジェクトもあるって、すべてが平たい関係性なんですか?

「どれも自分ですね。だから平たいよね」

■でもこのソロプロジェクトが、阿部さんがミュージシャンとしてい続けるための生命維持装置になってるのは明らかですよね?

「はい、完全にそうなってますね。適切な答えになるかわかんないですけど、自分の内に向いた音楽ということですよね。それがないと僕は音楽をやり続けられませんから。で、商業としてのための音楽っていうのはバンドですね。あともうひとつ柱があって、自分のことではないけれども音楽の業界に貢献すべき自分がいるはずだっていう部分でやっているのがプロデュース業ですね。で、今回のソロに関しては、自分の内に向いた音楽と外に向いたバンドの音楽が、融合してるんですね。円グラフが交わったような位置にある気がするんですよ」

■今回ってういのは、『G』だけのことじゃないですよね。

「うん、『R』『G』『B』のこと。答えになってるかな?」

■はい。付け加えると、バンドという商業性と、ソロのアート性が今回融合してるのは、「融合しちゃった」んじゃなくて、敢えて阿部さんがそうしたかったからですよね。

「わざと融合させたんです」

■ということは、ご自分のソロワークというものとポップフィールドというものとを、も1回対決させたい、対話をしてみたいなっていう欲求が凄く強かったっていうことですよね?

「えっとね、これはなかなか言いづらいね。言いたくもないし、言わなきゃいけない気もするし、言う必要がないような気もするねぇ(笑)…………時機って、なんにでもあるじゃないですか。今回、この時期にこのソロをやるっていうことを考えた時に――ユニコーンが再び始まったことで、もの凄く聴いてくれる人が増えましたよね。で、人が増えるということは、そこにはいろんな人がいるということなんですよ」

■今までのユニコーンを知らなかった人もいるし、阿部さんとは音楽の趣味や聴き方が違う人がさらに増えるという事。

「僕の事を知らなかった人もいるし、知ってた人も当然いた。たくさん人が増えたっていうことは、リスナーが増えたっていう意味もあるし、周りのスタッフが増えたっていう意味でもあるし、あとは打ち上げで見かける人も増えたっていう(笑)。ごく普通の意味でも人が増えたわけですよ。それを、振るいに落としたいっていうのもあるのかな。なんつーのかね、これ凄い話してるけど(笑)、振るいに落としたいって言うと誤解されそうだから、見極めたいっていうことですね。ぶっちゃけ、明らかに金の匂いがするから飛びついてるヤツとかもいるんですよね。それを20代の頃はわからなかったんですよね。見分けがつかなくて、僕の周りにいる人のことは、みんな友達だと思ってたわけですよ」

■でも阿部さんはユニコーンをやってた時に、自分でユニコーンをやってることにも疲れちゃったし、そういう人達とコミュニケーションを取ることに疲れちゃったから、バンドのバランスを取る事も難しくなったわけじゃないですか。

「平たく言えばね。疲れるっていうことは前提としてても、自分は全員のことをバカ正直に信じてたから、『この中で本当に寄ってきてる人は誰なんだろう?』っていうことがわからなくなっちゃったんですね。……ユニコーンが解散してすぐにそう思った。そういう時って、『なんか状況が変わったな』って敏感に感じるじゃないですか。自分はそんなに変わらないんですけど、こっちが友達だと思っていた人が、突然手のひらを返してそうじゃなくなったりもする。だから、29~30歳くらいの時に1回全部クリアにした覚えがあるんです。クリアにしたっていうのは、レコード会社から離れて自分の会社を作ったっていうこと。それは何故かって言うと、たくさんの人が自分にくっついてたんですけど、すべてのことをちゃんと見るために大事なものだけを残してそれ以外は排除しようっていうことにしたんです。大事なものは家族・親族、それと音楽。そのふたつ以外は全部排除しようっていうことで事務所を辞めて、レコード会社を辞めた。音楽をすると人と会ってしまうので、音楽をする時期はちょっと置いて、その間はお寺に修行に行こうとか、書道をやろうとか、写真をやろうとか、そんな(音楽とは)違う芸術に触れてみるっていうことをやった時期があるんですね。だから、名前は知ってても僕のことをよく知らないような、利害関係として僕の周りにいたような人達とまったく距離を置いてしまったんです。それによって、阿部義晴は1回コアだけになったっていうかね」

■本質だけしかなくなった。

「そうそう。それから少しずつ少しずつ(音楽活動を)やって、溜まっていった。当然そうやって僕が動くことによって影響されて人も動いくわけですよね。で、そうしていくうちのひとつとして、表に見える形としてユニコーンが再び始まったわけです。そこで、20代の時に味わったのと同じような状況が僕には今、また見えるわけですよ。ただ、当時の僕とは違うので、何をやっていいか? 何はやらないのか?っていうことと、この人は信じるべきだ/信じるべきじゃないとか、この人はついていってもいいなとかっていうことが少しずつわかるようになってるんですね。ーーちょっと話逸れるけど、ユニコーンは今2年休んでるんですけど、それも面白いなと思ってるんですよ。たぶんこの間に何人か離れていくんで、それも見てぇなってちょっと思ってるんですよね(笑)」

■なるほど。

「だからこのタイミングでソロを出そうという時も、今の僕の周りにはたくさん人がいるわけだけど、その人達と一緒にできる機会ってなかなかないわけですよ。芸術家人生の中では当然、人と関わりのある時期/ない時期がありますからね。でも僕は今、人と関わりがある時期なので、そういう時期に合ったものを――つまり、人と一緒にできるようなものをやろうということで、表に触れるようなものを考えましたっていうことなんですけど(笑)。だからそこは、交わってるっていうことですよね。答えになってる?(笑)」

■話の筋が通り過ぎてて、非常にシリアスな話でした。

「ははははは。でもね、鹿野さんのインタヴュー読むと、全部そのまま書いてるでしょ? だからこれ、書かれるんじゃないですか?(笑)」

■不器用ですから。

「いやいやいや(笑)、逆に凄い器用だと思いますよ。こういう話を書けるんだから」

■いや、僕を分析されるとすぐにボロが出るので勘弁願います。じゃあ、このEPのキーとなっている“舵を切れ 舵を取れ”は、ちゃんと世の中にも向けたものだし、メッセージも書けたし、音楽としても楽しめたという、ある意味全方位な曲としてできたっていうことですよね。

「そうですね。やってる時からこの曲を表題にするんだろうなっていう意識がもうどこかであったんですよね。だから、この難しいものに挑戦してみようって思ったんです。簡単に見えるけど難しいって、これってなかなかオシャレじゃない? な~んて言いながらやってるわけですよ(笑)」

■で、次は“GROUND”という曲ですが。タイトル的にも『G』を担ってるタイトルになってるし、壮大なバラードでもあり、非常に聴き応えもある曲になってます。この曲はどうやって生まれたんですか?

「その前に、グルーヴっていうものについて話しておいたほうがいいかもね。1曲目の“ONE AND THREE FOUR”は、『グルーヴとはなんでしょうか?』って質問された時に、1個目に黒板に書かれるような題材なんですね」

■「ノリ」っていうことですか?

「そうですね。“ONE AND THREE FOUR”のグルーヴというのは、僕流に言うと、バスケットボールをボンボンボンってやるような表現をしてるんですよ。重力と共に、(ボールのバウンドの仕方は)時間の経過によって変化していくでしょ? (ボールを床に叩きつけると)ボーンと上がっていく跳ね返りの時はスピードが速いけど、その途中で重力に引かれるからゆっくりになっていくんですよ。で、そこから落下するんで、スピードはまた加速するんです。その繰り返しなんですよ」

■……全然わかんないです。

「全然わかんないでしょ。1、2、3、4って刻んでいくとしたら、グルーヴっていうのは、1、2、3、4って電子メトロノームのように刻んでいるんじゃないんです。グルーヴっていうのは、メトロノームで言うと横振りのメトロノームと同じなんですよ。あれは重力と一緒に動いてるんで。つまり、弾むように円を描きながら重力とともに、丸く丸く、トーントーンっと刻まれていくんですよね」

■つまりはリズムには快適な「揺れ」が存在するという事ですよね。実は人間にとって快適なリズムっていうのは、デジタルビートよりもそういうもののほうが快適なんですよね。

「そう、快適なんですよ。アンドロイドに惹かれないのと同じ感覚ですよね。なので、円を描くようなグルーヴっていうのがまず1曲目でやってること。で、2個目(“舵を取れ 舵を切れ”)のグルーヴが何を目指したかって言うと、もうちょっとバカというか、もうちょっとガムシャラというか。1曲目は円を描いていますけど、2曲目は押すグルーヴですよね。ダダダっとどんどん押していく」

■はい、凄く前のめりなグルーヴに聴こえますが、それはつまりそうやってリズムを肉体と感情で押してるからですよね。

「ええ。で、映像で言ったら、ムーヴィーとして動いているんじゃなくて、コマが1、2、3、4、1、2、3、4って、四角いものが積み重なっていくようなグルーヴがあるんですよね。で、3曲目(“GROUND”)では、もうちょっとルーズなグルーヴをやりたかったんですね。そこにはお酒が入ってるのかもしれないし、ヒッピー文化なのかわからないけど、そういうもうちょっとドロンっとした、止まりそうになるんだけどビートでもって進んでいるっていうグルーヴがあるんですよね。それをやりたいと思って、この“GROUND”を作ったんです。アフタービートって言うんですかね、そういう感じのノリなんですよね」

■その後ろのめり感のあるリズムによって、壮大な感じに聴こえるんですよね。

「うん、重く大きく聴こえるよね」

■この会話の中でのポップというイメージから言うと、この曲がたぶん一番ポップだと思うんですよ。

「そうかもしれないね。歌ものとしてヴォーカルをセンターに置くことを意識してたんでね。グルーヴのことは置いといて、日本のロックで歌がセンターにあるバラードって具体的に何があるの?っていうと、RC(サクセション)の………」

■“スローバラード”?

「そうそう。あれなんかこのタイプだよね。そういう手触りだよね。まぁ、向こうは大名曲なんですけど、曲としてはそう分類されるね。だから、割と好きですよ」

■割とっていうか、これは名曲ですよ。

「ありがとうございます。ミュージシャン側からすると、このノリってなかなか出せないんですよね。実生活がブルースじゃないと出てこないっていうかね(笑)。やっぱり、泥臭いこと経験しないと出ないんだね。だから、若い子がコンピューター上でやってても、まぁノリは作れるかもしれないけど、内から出るものはなかなか作れないね」

■歌詞で<幸せのGROUND>っていう言葉が出てきて。<幸せのGROUND 幸せのGROUND/この僕らの場所が 美しく 幸せで/永遠ですと 心から 願うなら>――この胸が詰まる歌詞は、どういう気持ちを込めて書いたのか教えてもらえますか?

「僕ね、歌詞を説明するのってなかなか難しいんですよね」

■あんまり好きじゃない?

「好きじゃないっていうか、説明したいんだけど説明していいのかな?って思うんだよね。だから、『これです』って答えるのが一番いいのかな(笑)」

■この<この僕らの場所が 美しく 幸せで/永遠ですと 心から 願うなら>は、「なら――」ってその後の言葉を隠して終わるじゃないですか。そこがある意味、ツボな歌ですよね。

「そうだよね、ツボだよね。しかも、曲調も幸せな曲調じゃないじゃん。その組み合わせも当然作る時は考慮してるわけで。うん……この人(歌の中の主人公)はあれかね…………」

■この人は、土台のない世の中から夢や希望をレンタルしてたら、返すの忘れちゃったし疲れちゃったし、それで「はあー」っていう気持ちに1回なっちゃってますよね。

「うーん、なってるかなぁ……この人はね、正しいと思ってきたものに対して、疑問を持ってますね」

■今までは、それが正しいと思ってやってたんだけど――。

「うん。正しいと思ってたし、それを成功もさせたんだけど、そのために大きな犠牲を払った。かと言って、そうしなきゃいけない自分もいたしっていうところはありましたよね。だから1回成功した人、何かを掴んだ人だね。そうねぇ、ブルース・リーが最後にとどめをさして泣いた、みたいな?」

■それじゃ終わっちゃうじゃん。

「ははははははははははははははははは」

■もうそっからはエンドロールしかないでしょ。あしたのジョーが白くなって灰になった、ってそれ、終わっちゃうじゃん。

「(笑)なんて言うのかなぁ、ブルース・リーの凄いところは、とどめをさして『やった!』っていうんじゃないんですよね」

■悲しんでますよね。儚んでますよね。

「そうそう! でも、やるしかなかったわけでしょ?」

■子連れ狼とブルース・リーってそうですよね。

「そうそうそう(笑)。……だから何回も同じこと言ってるけど、正しいと思ってやってきてるのよ。そうやって進んでいくんだよ。この人にとっては、それが正しいんだよ……あのね、歌詞を書く時って自分でもわからない時があるんですよね。で、1年くらいしてやっとわかる時があるんですよ。これって不思議な感覚でしょ? 書いてる時は自分の中にそれがあるんですけど、なんでこんなこと書いたんだろう?っていうことがわからないことがあるんですよね。これはその部類ですね…………この人、築き上げてきたものをこれからも守らないといけないんだよ?」

■だから別に、ここで全部を吐き出しているわけじゃないんですよね。

「そう。何かを捨てるわけじゃなく、これからも守らなきゃいけないのよ。この場所が自分が望んだ場所だっていうふうに考えるということが、この人にとっては正解なわけだ」

■でも今までは、そういうことに気づかないままやってきたのに、わからなかったことがわかってしまった。その上で――。

「うん。“その上で……”ということです。だってこの人は、今までを捨てられないんだから。この<安心して>っていうのは、相手側に言ってるからね。全部捨てて、一から出直すような無謀な若気の至りはしないって言ってるわけだから」

■守るべきものがある人の歌ですよね。

「そういうものがある歌だね。でもなんて言うかさ、男って、いつまで経ってもツーシーターに乗りたいわけでさ」

■チンコも障子も破りたいんですよね。

「障子も破りたいし、流木も拾いたいし(撮影中、鹿野が無邪気に流木を拾って大事にしていたことを指してます)。女性にしてみたら、『そんなん、また拾ってきて~』みたいな話だと思うんだよね?」

■でも、それを大切に思ってるか/思ってないかっていうことが、自分の物差しとしてはえらく――。

「重要なことなんですよね(笑)。で、俺はそういう人を見るといいなって惹かれるから。きっと俺もそうなんでしょう。ほら、世の中的にはさ、『そんな高いもの買ってきて~』とか『いくら使ってるんだろう~』とかってなる事もあるじゃない? でも男ってそうじゃないところで生きてるところってどっかあるでしょう。それって大事なところだから。現実的に考えてみれば、間違ってるっていうこともわかるよ? でも、違うんだよね~みたいな気持ちはある。……なんて言えばいいんだろうね(笑)」

■この日の海での撮影のために、昨日、スケートボードを買いましたって言えばいいんじゃないですか(実話)。

「ははははははははははは、そっかそっか」


 どうだったでしょうか。途中、思わず手に汗を握るライヴ感に満ちた阿部ちゃんトークもあったと思いますが、楽しんでもらえたでしょうか? このドキドキ感がそのままパッケージ化されてますよ、EPの『G』の中では。
 是非お聴きくださいね。
 阿部ちゃんと海のG編は、まだまだあと2回分を残してます。この続編も引き続き楽しみにしててください。
 ファック・サマー、レッツ阿部ちゃん!!

「G」
2013年8月7日 ON SALE
1.ONE AND THREE FOUR
2.舵を取れ 舵を切れ
3.GROUND
4.SO SO GOOD
¥2,100(incl. tax)

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"ONE AND THREE FOUR" PV